現在の販路を広げるために「ネット販売に乗り出そう」と考える人は多くいます。
しかし、その大半が消えてしまう現実をご存知でしょうか?
「ネットショップを作れば少しでも人が来て売上が立つものだと思ってた」
そう考えていた方はこの機会に現実を知り、その上で戦いを挑みましょう!
この記事は決して「儲からないから諦めろ」や「やるだけ無駄」という無根拠にやる気を削ぐためのモノではありません。
ネット通販サイトを立ち上げても大半が消える理由
月額費用に対して売上が伴わずに自ら撤退
大半が消えるといっても、第三者に消されるという訳ではありません。
ほぼ全てが自ら撤退をしているだけなのです。
その理由は「月額費用に対して売上が伴わずに撤退する」というもの。
ネットショップと言えど立ち上げ方は複数あり、どれを選ぶかは自由です。
- 有料のネットショップ構築サービスを使う
- 無料のネットショップ構築サービスを使う
- ショッピングモールに出店する(有料)
- レンタルサーバーを借りて自社・個人でショッピングサイトを作る(有料)
ここで撤退する方の多くは月額料金がかかる1番と3番になります。
4番も月額がかかる立ち上げ方ですが、維持費で言えば1番リーズナブルでしょう。
その代わりある程度知識を付ける必要があり、時には制作会社やウェブ系事業主の手を借りる必要が出てきます。
立ち上げ方については後で説明するのでひとまず置いておいて下さい。
なぜ売上が伴わないのか?を理解しておく
ここで考えたいことは「そもそもなぜ売上が伴わないのか?」という点です。
商売において大切なことといえば集客ですよね。
人が来ないと「買うかどうか悩んで貰う」ことさえありません。
ネットショップを立ち上げて失敗する人の多くは「立ち上げたら自然と人がくる」と勘違いしている所にあります。
ひと昔前に比べると減ったかもしれませんが・・・。
実店舗でも「駅前」にあるのと「住宅街」にあるのとでは知名度が変わってくるでしょう。
そもそも知られていない(知名度が全国区ではない)状態でネットに出ても相当話題性がありインフルエンサーに取り上げられない限り爆発はありません。
(※インフルエンサーとは世間に対して一定の影響力がある人達のこと)
逆に言えば、有名にさえなればネットショップの有無に関わらず「通販できないか?」という問い合わせが電話などを通してくる可能性もあるでしょう。
個人であればコラボレーションや取材の依頼がくることもあります。
人気になる人やモノ・サービスはなぜ人気になるかというと「需要が多いから」に尽きるますね。
「それを見たい!欲しい!」と行動してくれる人が多いから人気になる訳です。
それを言うと「じゃあ人が来ない = 需要がなく無価値なの?」と思う人もいるでしょう。
必ずしもそうではなく、こちらのアピール1つで変わるもの。
「これはこう使うもの、他の用途はない」と決めつけていると、いつまでも可能性は広がりません。
「もしかして◯◯に使ったら便利なんじゃないか?」と狙いを買えることで需要が逆転することもあります。
俗に言う「発送の転換」ですね。
他の可能性としては、需要があるのに「気付かれていない」ということ。
先ほどの「駅前 or 住宅街」の例でみてもわかるように「駅前」の方が気付かれる可能性は高いですよね。
人通りが圧倒的に違うのですから見てもらえる確率は段違い。
ここでネットの話に切り替わりますが、ネットでの「駅前」はどこだと思いますか?
それは「検索によって表示された結果の1番上(上位)」です。
ネットは目的意識を持った上で検索をする人がほとんですから、検索結果の上位に表示できれば集客が見込めるのですね。
では「あなたの売りたいモノ」はどんな人の希望を叶え、悩みを解消するのでしょうか?
その人は何と検索するでしょうか?
ここで気付いた方もいると思いますが、見込み客の行動に合わせて適切な製品を見せる事ができれば大体売れるのです。
消えていく方々も「ネットショップを立ち上げること」まではしっかり行っているでしょう。
しかし「見込み客を特定し検索上位を狙う」というような施策(これをSEOと言います)は全然してないか、まるで見当違いなのですね。
楽して順位を上げようと、どこかで覚えたグレーな手法を中途半端に使ったりします。
Googleの検索エンジンで言えばもうそういう手法はほとんど通用しないと考えた方がいいですね。
ここでまとめると「売上が伴わない理由」は大きく下記が考えられます
- 需要がない(あるいは需要を感じさせる見せ方の工夫が出来ていない)
- 気付かれていない(見込み客に存在を知られていない)
ネットショップが儲からないのではなく、全ては「考えに基づく行動」なのです。
これは楽天市場などのショッピングモールに出店する場合も同様でしょう。
消えるネットショップの特徴
何も伝えられていない
商品の画像と仕様(サイズや重要など)が書かれているのは当たり前ですが、それで終わっているネットショップは厳しいですね。
- 具体的にどう使うのか?
- 悩みや希望は解消されるのか?
- それは便利なのか?(誰がいつどこでどのように便利なのか?)
- 保証やアフターケアはあるのか?(安心して買えるのか?)
- 類似商品はないのか?(ある場合そちらはどうなのか?)
- 他にも販売店がある場合、この店で買うメリットはあるのか?
- いつ届くのか、送料はかかるのか?
お客さんは少なくともこのような疑問を感じるでしょう。
食べ物であれば他にも考えられますね。
- アレルギーなどの心配はないのか?
- 子供や乳幼児でも食べられるのか?
- 味は他の製品と比べてどうなのか?
- どうやって作っているのか?
- 他の製品と比べて栄養素の違いはあるのか?
- 含まれる栄養素は何に良いのか?(美容や健康といった意味)
- 年間を通して安定供給が出来るのか?
- プレゼントにはおすすめできるか?
- おすすめの食べ方はあるか?
消えるお店はこれらの疑問に一切答えていない訳ですから、選ばれる確率が下がるのは当たり前のことです。
必要最低限の情報しか載せていないのは「後はお客さんが自分で調べてね、こっちは知らないから」と言っているのと同じ。
接客業であればあり得ないことをネットでは平然とやっているのです。
ネットは実際に対面する訳ではないものの、本質は全く変わりません。
楽天市場でレビュー件数が数百数千を超えている製品ページを見てみて下さい。
あれを「ただごちゃごちゃして目障りなだけ」と思っていたら大間違いです。
柔軟性が全くない
ネットで商品を買うとき、1番最初に目がいくのはどこですか?
人により違いはありますが、およそ下記ではないでしょうか。
- 他でも売っていてよく知っている製品なら「価格」
- 知らない製品なら「レビュー」
価格は言わずもがな、知らない製品であれば「レビュー評価の良い所」をまず見ていくでしょう。
ネットには膨大な商品がありますから、いちいち全てを確認するのは難しいもの。
そのため、レビューがない時点で「それがある製品」よりも選ばれにくい状況が生まれてしまうのも事実。
特に楽天市場など複数店舗が入り乱れるショッピングモールはその傾向が強いですね。
レビューを貰うためには、最初の時点で効率よく集められる仕掛けが必要。
例えばですが、下記のような方法があるでしょう。
- 他より圧倒的に安い時期を設ける
- 他よりお得な「特典」を付ける
- 最初に知人などからレビューを貰う
最後はやり方次第で問題も起こりうるため推奨はしません。
ただ、こういう地道なこともせず「良い製品なら必ず売れるし値下げなんてダメだ」と頑固になっていると終わるのも早いです。
「安易な値下げ」は身を滅ぼしますが、ちゃんと意図があり値下げ分のリターンが得られる算段が付いているなら話は別でしょう。
忍耐力がない、待てない
ネットショップが注目され始めた時代と今は全く違いますよね。
「とりあえず立ち上げれば誰かが見つけてくれる」というのは120%あり得ないのです。
そのためにあの手この手と創意工夫を重ねていく訳ですが、これが出来ずに消えるパターンの多いこと。
自分の所で売上が立つということは、だれかの店で立っていたはずの売上を奪取したとも考えられますよね。
それが良いとか悪いとかではなく「そんな安々と奪える訳がない」という原則を理解する必要があるのです。
今大きな売上を上げている競合ネットショップが「プロ」だとしたら、始めたばかりのお店は「素人」。
ボクシングで「プロと戦って勝ったら1000万」なんて企画がありましたが、普通に2、3ヶ月練習して勝てると思いますか?
人にもよりますがほとんどは勝つどころか「立ち続けていられるか?怪我せずに終えられればラッキー」なレベルです。
スポーツの世界ならほとんどの人が「自殺行為だ」とわかるのに、ネット販売の世界ではまるでそう思わない人が多いのですね。
でも100%勝てないか? というと、そんなことはありません。
ただ、同じ土俵に上がるためには現時点での売上はともかく「販売力」は同レベルまで鍛え上げなくてはならないのです。
それが簡単に得られたら誰も苦労しませんよね。
だからこそ「正しい方向で」地道な努力(勉強)を続けられる人にはチャンスが訪れるのです。
ショッピングサイト(ネットショップ)の作り方
パパっと作るのが好スタートを切る秘訣
ネットショップを始めた人で「見た目にこだわりたい」という気持ちはよくわかります。
売れてるネットショップを見ると商品画像がスライドしたり色々と動きのある作りになってますよね。
しかし、必要最低限の見た目があるならば、最初の時点でこだわりすぎるのは破滅に繋がるでしょう。
なぜなら大事なのはそこじゃないからですね。
この記事を最初から読み進めていただいた方なら既にわかっている事だと思います。
だからこそ「ネットショップ自体は時間をかけずにパパっと立ち上げる」のが好スタートを切る秘訣。
「HTMLやCSSがわからない・・・」なんてやってる暇はありません。
それをふまえて、冒頭で紹介した「ネットショップを立ち上げる手段」を見てみましょう。
- 有料のネットショップ構築サービスを使う
- 無料のネットショップ構築サービスを使う
- ショッピングモールに出店する(有料)
- レンタルサーバーを借りて自社・個人でショッピングサイトを作る(有料)
実は「売上が伴わずに撤退するオーナーが選びがちな方法」である1番と3番が立ち上げに最も優れているのです。
これは何を意味しているかというと「立ち上げ方は問題ないのに肝心な所に時間や手間をかけていない」ということ。
先に2番と4番の説明からしてしまいますね。
無料のネットショップ構築サービスを使う
お金をかけないならこの手段が1番ローコストなのですが、無料には無料なりのデメリットがあります。
- 管理画面の使い勝手が悪い
- 必要な機能を追加するごとに月額がかかる
- 販売手数料が高い
結果的に不便な思いをしてお金をかける位なら、最初から充実していた方が良いですよね。
無料サービスは必ずどこかでその代償を支払うことになるため、本気の人であればあるほどおすすめしません。
レンタルサーバーを借りて自社・個人でショッピングサイトを作る(有料)
レンタルサーバーを借りて市販のショッピングサイト構築ソフトなどをインストールする方法。
こちらのメリットはソフトが「買い切り」なので月額費用の面で有利なことですね。
レンタルサーバー代金やドメイン維持費は定期的に発生するものの、コストは低いです。
しかし、サーバーを借りてネットショップという入れ物を作るだけでもそれなりに時間を要するでしょう。
自己解決できない場合は制作会社などに助けて貰う必要があり、別途料金が発生する可能性もあります。
レンタルサーバーを借りて自社サイトを持つ位なら「むしろ個人でやるべき」というのが当サイトの考えですが、ショッピング機能まで付けると少し難しいでしょう。
そのため、最初からショッピングサイトを作る予定があるなら黙って有料サービスを使った方が良いです。
ショッピングモールに出店する(有料)
ショッピングモールとは楽天やAmazonといった「大きなモールの中でそれぞれの店舗が商売している」という状態のもの指します。
この利点はモールを運営している企業による圧倒的な集客力。
現実世界で例えると「イオンショッピングセンター」や「アウトレット」などでしょうか。
大きな建物の中にありとあらゆるお店が同居するため、出店した時点で集客ラインに乗れるのがポイント。
だからと言って「すぐに売上が立つか?」というとまた別の話で、やっぱり販売力の強化は欠かせません。
加えて初期費用や月額が高いのも検討すべき問題ですね。
楽天市場に出店すると担当者が付いて販売のサポートを受けられる反面、15万30万といった規模の広告勧誘を積極的に受けます。
それでも商材によって楽天市場を攻めたほうが良い場合もあるため、気になる方は資料請求がおすすめ。
[rakuten]
有料のネットショップ構築サービスを使う
有料のネットショップ構築サービスは趣味などではなく完全ビジネスに特化しています。
そのため月額はかかるものの、使い勝手やサポート性では無料と比べ物になりません。
有料の中でも月額数千円で始められるものもあれば、月額1万円程度かかるサービスもあります。
もし月額1万円なら、年間で考えると12万円ですよね。
ネットショップをやるなら半年〜1年は種まきの時期となるでしょう。
その間「誘惑に負けずに頑張り続けられるかどうか?」で選ぶべきだと考えます。
誘惑とは「今やっている事は無駄なんじゃないか?」とか「本当に大丈夫なのか?」みたいな事ですね。
その誘惑に負けて途中で辞めてしまっては元も子もありません。
私は今まで業務で様々なネットショップ構築サービスの管理兼制作をしていた事がありますが「ビジネスで使うなら120%ここしか選ばない」という会社があります。
それはEストアーの「[shopserve]」というネットショップ構築サービスですね。
月に10,000円程の料金はかかるものの、ネットショップオーナーを大事にする姿勢はこの金額を払うに値します。
無料セミナー及びオンラインセミナーも充実しており最初の1年に多くの事を学べるでしょう。
管理画面の操作系は個人的な評価ではありますが「日本にある全ての構築サービスの中で1番使いやすい&わかりやすい」です。
ただ、必ずしもここである必要はありません。
もし有料サービスを使って手堅くネットショップ運営を行いたい場合は検討してみる価値はあるでしょう。
あとがき
ネットショップ運営で稼げるようになるための素質
最初からこの記事を読み込んで頂いた方、お疲れ様でした。
私はネットショップ運営の経験を元に書いているためどうしても長くなってしまうのですが、大半の人は途中で離脱してしまいます。
「そんな難しいならやめとくわ」
こう考える人が大半な中、飛ばし飛ばしでも最後まで読んで貰えたという事は相当本気なのだと思います。
ネットショップは趣味ではなくビジネス。
誰もが「稼ぐ」ことを目的にしており、それを達成できていたのは「粘り強い人」だけでした。
テクニックや考え方も大事ですが、1番必要な「素質」は粘り強さの有無なのだと思います。